なぜ、部下は社長の言うことをきかないのか?〜理念を組織に落とし込む方法〜

こんにちは、杉本です。

2週間前に再開したこのコラムですが

「毎回、楽しみに読んでますよ〜」
「杉本さんが活動を再開してくれて嬉しい」
「コラムを読んで、杉本さんに相談したくなりました!」

といった声をいただいています。


コラムに反応があって、
読んでくださる方がいるという実感が湧くと
めっちゃ嬉しいですね😊


というわけで、
今週もコラムをお届けします。


今日お届けする内容は、
前回のコラムを読んでいただくと
より理解が深まりますので
まだの方は、こちらも併せてどうぞ!

というわけで、
本題に入ります!

目次

・理念が浸透しない3つの原因
・理由1,借り物の言葉を使っている
・理由2,部下や顧客受けが良い言葉を選んでいる

理念が浸透しない3つの原因

今回のコラムのテーマである
「組織に理念を浸透させる」
ためには、

「なぜ、組織に理念が浸透しないのか?」

という原因を知ることが
一番の近道です。


というわけで、
理念が浸透しない原因を軸に
お伝えいたしますね!


理念が浸透しない原因は
大きくわけて次の3つです。

1,借り物の言葉を使っている
2,”相手言葉”になっていない
3,浸透する環境をつくっていない

これだけだと
ちんぷんかんぷんなので
順番に解説していきますね!

理由1,
借り物の言葉を使っている

これは、どういうことかと言いますと
どこかの会社のHPや本で読んだ言葉で

「おっ!これいいな!」
「これカッコいいな!」

みたいな感じで
人の言葉を借りて使っているケースですね。

これやっちゃうと、
社長の心からの言葉ではないので
言葉にエネルギーが乗らないんですよね…😓


皆さんも経験ありません?

「この人、
 確かに言葉では良いこと
 言ってるんだけど
 本心なのかなぁ?」

みたいな場面。


人は、
なんとなく相手の感情や本音を
察する能力を持っているので

・口先だけの言葉
 なのか、
・腹から出ている言葉

なのかが
直感でわかっちゃうんですよね。


怖いのは、
パフォーマンスが高い人ほど
洞察力が高いため

社長が借り物の言葉を使っていたら
一発で見抜かれちゃいます。


そうなると、
せっかくの優秀な部下の
モチベーションが下がりますし、
今の会社で働く理由が薄くなります。


また、採用をかける時に
理念やビジョンに共感して
集まってくれた人材が

「あれ?なんかHPに書いてること
 と違うくね?」

となり、
採用率が下がったり、離職率が上がる原因になります。

「モチベ上がらんわ〜」


その結果…

どうなるかは、
想像に難くないですよね?😓


要は、
借り物の言葉は、所詮は他人のものですし、
張子の虎を用意しても
10年、20年先を見据えた
骨太の経営は出来ないですよ

と、ご認識いただければ幸いです。


「じゃぁ、どうしたら良いの?」


って話ですが、
理念をつくるときは、

社長の根っこの部分から
引っ張り出してくる

しかないんですよね。


だって、
理念=会社の憲法
ですので、

他国の憲法をそのまま使って
国の運営するのって
やばくないですか?😅


しっかりと
脳に汗をかいて、

どのような会社にしていきたいのか?

を時間をかけて言葉にする必要があります。


伸びてる会社は、
必ず社長の軸となる価値観が明確
なんですよね。


だから、ブレずに
迷いなく意思決定ができる。


そうなると、
自社らしさが出て、

・やるべきこと・やらないこと
・お付き合いする顧客・顧客にしない層
・働いて欲しい部下・来てほしく無い人材

が明確になります。


この辺りについては、
前回のコラムが役に立ちますので
ご一読ください。

 ↓   ↓   ↓

以上が、一つ目の理由となります😃

理由2,
相手言葉”になっていない

理念が浸透しない2つ目の理由は、
「相手言葉になっていない」
ということです。


これ、どういうことかと言いますと、
社長が伝えたい想いが強すぎて
独りよがりの言葉になっているケースです。

「独りよがりの言葉???」

という声が聞こえてきそうですので
まずは、そこから解説していきますね!


そもそも論ですが、
なぜ理念やビジョンをつくる必要があるのか?
というと、答えは

対象となる相手に
社長が期待する行動をとってもらいたい

からですよね。

たとえば、部下なら、
指示した業務以上に成果をあげてもらいたい

例)
営業マンなら
ターゲットとなる見込み客に適切に提案をして
理解・納得して商品やサービスを売ってきて欲しい

生産部門に従事する部下なら
社長の理想とする価値観に沿った
商品やサービスを開発・生産して欲しい


見込み顧客には、
自社の商品やサービスを購入いただき
今以上にパフォーマンスや幸福度をアップして欲しい

といった具合です。


そして、ここからが
非常に重要なのですが、

人が行動するためには、
感情が動くことが必要


なんですね。


なので、
理念やビジョンがしっかりしていると
多くの人に「共感」されて、
大きな影響性を与えることができます。

その結果、
組織が大きくなり、
事業が拡大していくのです。


つまり、
理念(やビジョン)をつくる時は、
相手に伝わる言葉(表現)になっているか?
が非常に重要です。


ここを押さえておかないと、
社長が空回りしてしまって

「なんでわかってくれないんだぁ〜〜!!」

という状況になっちゃいます😓

何回言えばわかってくれるんだぁ〜〜!!!

逆に、
部下や顧客に伝わる言葉になっていれば
社長が伝えたい理念やビジョン、価値観は
今までの数倍のスピードで
組織や市場に浸透していきます。


これは、
事例があった方が分かりやすいので
一つご紹介いたしますね。


東海地方にある工務店さんのお手伝いをしていた時の話です。

(クライアントから公開しても良いとの許可をいただいてます)


会社の規模は、
年商13億円で従業員は50名程度
経営も順調で
地元でも名が通っている名士でした。


しかし、
社長は年商100億円を目指しており、
もっと成長スピードを速めたいとのこと。

「理念やビジョンは
 納得のいくものをつくれている。
 しかし、組織に理念が浸透している実感が弱い。

 理念とビジョンを落とし込み
 もっともっと会社を成長させたい」

とご相談をいただきました。


詳しくお話を伺うと、
冊子タイプの経営計画書
クレドカードをつくるなど
理念を浸透させる仕組み
しっかりと構築されています。


そこで、会社にお伺いして
朝礼の様子や
会議などにオブザーブ参加させていただき
社長の言動をじっくりと
拝見させていただいたのです。


1日同行させていただき
社長と二人で振り返りをする時に

「理念やビジョンが
 浸透しない理由が分かりました。」

とお伝えしました。


社長が身を乗り出して
「え!早く教えてください!!」
という表情をされたので

杉本
「社長は、部下に
 『良い家をつくれ』
 とおっしゃっていますよね?」


社長
「はい」


杉本
「『良い家』だと抽象度が高くて
 部下に伝わりにくいんですよ。

 社長がいくら
 『良い家をつくろうね』
 と口を酸っぱくして伝えても

 そもそも『良い家とは何か?』
 という基準が示されていないので、

 部下も
『何が良い家で、
 何が良く無い家なのか?」
 が判断できない状態になっています。」


社長
「なるほど」


杉本
「社長がおっしゃる
『良い家』の意図や背景情報
 もっと分解して、
 部下や顧客に伝わる言葉に
 変えることがポイント
ですね」

とやりとりをさせていただきました。


そこから2~3ヶ月かけて
何度も対話を重ね

「社長の頭の中にある
 『良い家をつくる』
 というイメージ」

を丁寧に言語化していきました。



ちなみに、
下記のようなマインドマップを使って
言語化と構造化を進めていきます。

秘匿性が高いのでモザイクかけてます


そして、
対話を重ねて
社長の思考の中にある
「良い家をつくる」を
言語化した結果

ーーーーー

良い家というのは、
家族が帰って来たくなる家だ。

会社があるのは
人口2万5千人の地方都市なので、
子供は大学生になったら
名古屋や東京などに
巣立ってしまう。

そのまま大都市で就職する
ケースがほとんど。

そして、一度都会に出れば
お盆や正月でも帰省しない人もいる。


しかし、
家を建てたあとに、
誕生日を祝ったり
本気で喧嘩したりなど
小さい頃から家族との思い出が
詰まっている

時折、その家に帰ってきたくなるはず。


そんな、
家族の絆が育まれる家
良い家なんだ。

ただ、雨露をしのぐ物質的な家は
我が社の理想の家では無い。

ーーーーー

という内容が出てきました。


これを言語化した瞬間に
社長が満面の笑みで

「そうそう!!!
 これです。

 私が言いたいのは、
 まさしくこれです!!!」

と興奮気味におっしゃいました。

めっちゃスッキリ〜〜!!


これがど真ん中の言葉が出てきた時に
起こる現象です。


ちなみに、
私はこの瞬間を見るのが
本当に大好きなので
思考の言語化を生業にしています😊


その後は、
出てきた言葉を
社内の共通言語化するために

・家族との絆が育まれる家=HOME(帰りたくなる場所)
・雨露をしのぐ空間=HOUSE

と定義化しました。


それからは、
この社長は「良い家をつくろうね!」
ではなく「HOMEをつくろうね!」

言葉が変わりました


そして、
経営計画書の表紙にも

「我が社が提供するのは
 HOME(帰りたくなる場所)である」

と印刷するようになりました。


その結果、
課長が現場の部下と話をするときも
「HOME」という言葉が
頻繁に使われるようになり、
社内に浸透していきました。

その後、この会社は、
社長の経営手腕が優れていることもあり
3年で年商13億円⇨25億円にまで成長し
今では、本社を県庁所在地がある
都市部に移転されています。

はい!
というわけで、
事例が少し長くなりましたが

理念が浸透しない理由としては、
理念が社長の独りよがりの言葉(=自分言葉)になっている

をお届けしました。


ここでのポイントは、

①まずは自分言葉」で深堀りする
②次に、部下や顧客に伝わるように「相手言葉」に変換する

ということです。


この順番がめっちゃ大事なので
理念をつくって浸透させる時の
参考にしてみてくださいね!


では、次に
「理由3,浸透する環境をつくっていない」
をお届けします!

と言いたいところですが、
今回のコラムがかなりのボリュームになってしまったので
次回のコラムでお届けしますね!

コラムは、
今後も週一のペースでアップしていく予定ですので
楽しみにお待ちください🤗


というわけで、
本日も最後まで読んでいただき
ありがとうございました!

そして、
今回のコラムを読んで
私のコーチング(コンサルティング)に
興味を持たれた方は、
こちらのフォームから
お問い合わせください。

それでは、
また次回のコラムでお会いしましょう😃🎵

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