会社を成長させる「ど真ん中の理念」の作り方

こんにちは、杉本 智です。

先週コラムを書いたところ、会食をした社長から

「めっちゃ刺さりました!」
「ちょうどモヤモヤしていたのでドンピシャでした」

などの言葉をいただき非常に好評でした😀

まだご覧になっていない方は、こちらからどうぞ

という訳で、良い気分なので、今週もコラム書いちゃいます😃🎵


今日のテーマは、ズバリ
「ど真ん中の理念とビジョンの作り方」
です!

(「いや、タイトルで既にネタバレしとるやないかい!」というツッコミは無しで😅)

目次

1,会社を成長させるために、なぜ理念が必要なのか?
2,会社を成長させる理念、成長できない理念の違い
3,理念づくりを阻む大きな壁の存在
4,まとめ

会社を成長させるために、なぜ理念が必要なのか?

結論から言うと、
①意思決定のスピードと質を上げるため
です。

その結果、
②社長が後悔のない仕事と人生を歩める
という状態が手に入ります。

「うん?なんで、意思決定のスピードと質が上がるの?」

と思われた方もいらっしゃるでしょうから、理屈を簡潔にお話ししますね。

理念=ビジネスにおける【絶対的な】判断基準


だからです。

絶対的な判断基準が無いと、人は迷ってしまいます。
どれだけ能力が高い人であってもです。

いや、むしろ能力が高い人は、選択肢が多いので普通の人よりも余計まよいやすいです。

人はどんな時に迷うのか? 迷う原因は何なのか? 迷わない方法はあるのか? - 諏訪・松本・伊那|Wealth Family  Club|ウエルスファミリークラブ

例えば、

・新規事業のアイデアを思いついたり
・売上を伸ばすための新しいWEBマーケ戦略を思いついたり
・同業者がまだ手をつけていない新しい市場に気がついたり

など、やりたいことや上手くいきそうなことをドンドン閃きます。

そんなときに、理念が無いと、

「利益が出るから」
「ブランディングに有利だから」

といった理由で安易に意思決定してしまいます。

そうなると、どんな未来が待っているのか?
こだわりの無い、替えがきく会社
になってしまいます。

イコールあなたが社長じゃなくても良いとも言えます。

他にも、こだわりが無い=ウリがない。という状態ですので、

・従業員を採用するときに、給与や福利厚生などの「条件」で判断されますし、
・顧客に自社のPRをするときに、価格や機能などの「利便性やコスパ」などで判断されます。

要は、理念があることで、

・社長が迷いなく判断をくだせるようになる
・他者との差別化で優秀な人材が集まりやすい
・顧客をファン化しやすくなる

など、良いことづくめですよ。

ということをまず最初にご理解いただければと思います。

実際に、社長のど真ん中の理念を作ったとある会社は、岐阜県の人口15万人都市に本社があるにもかかわらず、非常に優れたビジネスモデルと相まって現在上場準備に入っています。

その土台をつくるために、誰もが知る数千億規模の大手企業の副社長をしていた人材を経営陣に招聘できたという事例もあります。

会社を成長させる理念、成長できない理念の違い

「じゃぁ、とりあえず理念をつくれば良いの?」
というと、そういう訳でも無いんですよね。

どういうことかと言いますと、ポイントは
経営者が、目の前のビジネスに全エネルギーを注げるかどうかが重要なんです。

理念をつくる本質は「経営者が迷いなくビジネスに集中できる状態をつくる」ことなので、その条件を満たす必要があります。

「じゃぁ、どんな理念なら全力集中できるの?」と言うと、答えはとてもシンプルです。

✅社長が心からやりたいと思えるかどうか?
✅全人生を賭けてでもやり遂げたいと思えるかどうか?
✅死ぬ間際に後悔しないかどうか?

これらの問いに「YES!」と即答できるかがポイントなんですよね。

まさしく、こんな状態です😀

©️ 集英社

前回のコラムでもお話しした通り、優秀な社長ほどポテンシャルも高いんですよね。

ビジネスで迷う局面が多いほど、持っている能力を使いきれていないので、非常にもったいないです。

例えるなら、霧の中をフェラーリで走るようなものです。

時速300kmを楽々出せるのに、環境のせいでアクセル全開できない状態。

もともと良いエンジンを積んでいるので、新しくターボを付ける必要もなく、ただ本来の性能を発揮できる環境をつくれば良いだけ。

人生を掛けられる理念をつくれたら、目の前の霧は、綺麗さっぱりと消えます。

そうなると、あとは全力でビジネスに打ち込むだけです。

言葉にもエネルギーが乗りますし、
同業他社との明確な差別化もできます。

そうなると、部下に対する求心力も高まり、一枚岩の組織をつくるのも難しくありません。

逆に、HPや本などで「この理念かっこいいな」みたいな感じで、他所から借りてきてしまうとエネルギーが乗らないので「口先で言ってるだけ」の理念になってしまいます。


部下も顧客もバカではありませんから、口先だけの言葉か、魂の底から発している言葉かは、すぐに分かりますよ。

そして、優秀な部下であればあるほど、それが見えます。

なので、理念を作る時は、必ず社長の裸の言葉でつくる必要があるんですね。

理念づくりを阻む大きな壁の存在

ここまで読んでみて

「よっしゃ!わいも理念をガッチリつくって、会社を今以上大きくするで〜!!」

と思われた方もいらっしゃるでしょう。

しかし、そんな簡単にど真ん中の理念がつくれたら、黒字の会社は増えて、日本のGDPも大きく上がるはずです。

ですが、現実は、そうなっていません。

なぜでしょうか?

そう、どまんなかの理念をつくるには大きな壁が立ち塞がっているんです。

その壁とは…

©️ 集英社

大きな壁をイメージしたら、なぜかキン肉マンのサンシャインが浮かんだので、貼っておきます。(ティアキンのブロックゴーレムじゃないよ)

話を戻しまして、ど真ん中の理念をつくることを阻む壁の正体、それは…

「無意識」と呼ばれる脳の構造です。

脳は、コントロール可能な「意識」と、自分ではコントロールできない「無意識」という2つの領域が存在しているのはご存じかと思います。

意識は、自覚している領域で、いつでも情報を取り出せます。

無意識は、自覚していない領域で、情報を取り出すには時間がかかったり、状況によっては取り出せません。

自分の頭の中にあるにも関わらず、なのにです。

ちなみに、私は脳科学の専門家から3年間みっちりと「人のパフォーマンスをアップさせる脳の使い方」を学んだ経験があります。

要は、脳の中には、自分が持っているにも関わらず、タッチできない領域がありまっせ。というお話しです。

そして、「なぜ生まれてきたのか?」「この人生で何をなすべきか?」といった人生の使命や魂レベルの情報は、脳のとってもとっても奥深くに、ぐうぐうと音を立てて眠っているのです。

前項でも触れたとおり、会社を成長させる理念は、

✅社長が心からやりたいと思えるかどうか?
✅全人生を賭けてでもやり遂げたいと思えるかどうか?
✅死ぬ間際に後悔しないかどうか?

という、人生レベル=自分の存在意義を土台につくる必要があります。

ですが、同時に、これらの情報は脳の奥深くに隠れていて、自分一人で言語化しようとしたら、数年、へたすると数十年の年月が必要だったりします。

これについて、事例があった方が分かりやすいので、一つご紹介いたします。

数年前に、関西で活躍されている地元で有名な中小企業の社長から

「理念をつくる専門家に依頼して4年かけたが、どうしても納得のいく理念がつくれない。まもなく還暦を迎えるので、次の世代に会社を任せたい。しかし、そのための魂となるバトン(=理念)がつくれずにいる」

と、相談を受けました。

この社長は、頭の回転も速く、セミナーや本を通して日々経営について勉強されている方で、言語化能力も非常に高い方でした。

そのような方でさえも、自分の頭の奥深くの根っこの部分を言語化することは難しいのです。


これは、能力の問題ではなく、脳の構造の問題です。

実際に、無意識を言語化する専門家である私でさえも、自分一人で、奥深くの根っこの部分を言語化することは難しいです。

おそらく、無意識の中の50%ほどを言語化することが出来れば良い方だと思います。

なので、私もモヤモヤした時は、同じく無意識を言語化するプロの妻に相談して、頭の中の整理と言語化を手伝ってもらいます。

話がそれたので、元に戻します。

理念をつくりたいと相談に来られた社長にいくつか質問を投げかけ、いただいた回答とその背景に隠れている非言語情報をホワイトボードにどんどん書き出しました。

質問する⇔回答いただく

という行為を30分ほど続けた結果、この社長のど真ん中の理念がはっきりと見えたので

「社長がビジネスに成し遂げたいのって、これじゃないんですか?」

とホワイトボードに書き出しました。

すると、ホワイトボードに書き出された文字を見て、社長は一瞬キョトンとした後、顔を赤らめながら興奮気味に

「そうです、そうです!!!これです!!!!私がビジネスで一番実現したいのはここなんです!!!」

と叫ばれました。

その後も、興奮冷めやらずという雰囲気で

「いやぁ〜。そうなんだよ。これなんだよなぁ〜」

と一人で呟きながら、言葉を自分の中に落とし込むかのように咀嚼されていました。


このように、人生を賭けられるレベルのど真ん中の理念を言語化するには、

①まずは、自分の中で言語化してみる
②ハラ落ち具合を確かめる
③納得感が出るまで繰り返し繰り返し言語化してみる
④これ以上、掘り下げられないレベルまで言語化したら、専門家にサポートを依頼する

という手順がオススメです。

今回ご紹介した社長さんも、とことんまで言語化し続けたからこそ、私もサポートすることができたのです。

何も準備なしで「ど真ん中の理念をつくってください」と言われても、さすがに私でも無理です😅

はい!

ということで、今回も気づけば結構なボリュームになりましたので、そろそろまとめに入ります!

まとめ

今日のコラムでお話ししたことは、下記の3つです。

①理念をつくることで、意思決定のスピードと質が上がります=迷わなくなる!
②理念をつくるときのポイントは、そこに命の炎を燃やせるか?
③本当に命をかけられる理念は、無意識の奥深くに眠っているので、言語化するのに非常に時間がかかる

そして、特に大事なのが②の部分です。

社長が優秀であればあるほど、全エネルギーを注げる理念が見つかれば、組織を迷いなく一つの方向性に導くことができます。

そして理念を言語化できたあとは、組織に浸透させていくことがポイントになっていきます。

これについては、次回以降のコラムでもお話しする予定です。

というわけで、本日も最後まで読んでいただきありがとうございました!

そして、今回のコラムを読んで私のコーチング(コンサルティング)に興味を持たれた方は、こちらのフォームからお問い合わせください。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう😃🎵

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